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エアリス誕生日記念SS:第四弾 

エアリス誕生日までのカウントダウン、見事に失敗orz

クラウド君たちとエアリスのお話しです。
今回はちゃんと『祝ってる』感じのお話です。
ちょっとクラエア風味。
タイトルは『真実を語る人』。
エソラゴト様より語る人で五題から頂きました。


それでは続きよりどうぞ。



真実を語る人(クラウドとエアリス)



 オレは、知っている。
 彼女は小悪魔だ。間違いなく――まぎれもない。


  ○ ○ ○


「誕生日、パーティ?」
「ああ」
 オレは買い出しの途中、二人きりの機会を見計らってエアリスに尋ねてみた。
「いや、ティファやユフィが、エアリスの誕生日が近いって言ってたのを聞いてさ。
 なんか祝おうって話になってたんだが……この先、いつ休めるか分からないだろう?」
 この街にいるのも、セフィロスの情報を集めるためなんだし、というと、 
「うん、でも……」
 エアリスは珍しく、少し翳りを帯びた顔で笑うと肩をすくめた。
「あんまり、お祝いごとって、慣れてないし。無理してやらなくても、だいじょぶだよ」
 そう答えるエアリスの声には何故だろう、妙に覇気がない。
 いつも明るい表情に、一瞬の翳りを見たオレはつい、
「いい思い出がないのか?」
「え?」
 返されて、あ、いや、とあわてて取り繕う。
「オレも……誕生日パーティには、あんまり、その……いい思い出がないんだ」
 ニブルヘイムで友人たちに疎外された感覚がよみがえり、思わず顔を歪める。
 まともに声を掛けてくれたのはティファだけで、でもエアリスと比べたら、それでも十分幸せだったのかもしれない。
 彼女は幼い時から、神羅の研究所で過ごしていたんだから。きっとそのこともあるんだろう。
 オレがそんなことを勝手に考えていると、エアリスはクスリと笑い、
「バースデー不幸仲間、かな」
「……嫌な響きだ」
 そんなことで連帯感なんて、もちたくないんだが。
「じゃ、してもらおっかな」
「は?」
 エアリスは下からオレの顔を覗き込んで、悪戯をする子供のように笑った。
「誕生日祝いはいいものだー、ってお互いに思えるように、ね」
「お互いに、って、オレの誕生日はまだ先だぞ」
「うん、だから予行練習? 心の準備? みたいな」
「予行練習って……」
 相変わらずエアリスの考え方は独特で、唐突だ。
「うんうん。そう決まったら、早速準備、しなきゃ!」
「いや、普通こういうのは、祝われる側は何もしないんじゃ」
「いいの、考えてることがあるから!」
 エアリスは先程まで顔を覆っていた翳りを取り去り、朗らかに笑う。
「じゃ、私、皆に相談してくるね!」
「お、おい……」
 脱兎のように駆けだし、宿場へ向かうエアリスを追うこともできず、オレは茫然とその後姿だけを眺めていた。
「……自分で自分の誕生日パーティーを計画したら、楽しみが半分になるんじゃないのか?」
 問いかけに答えるのは、街行く人々の雑踏だけ。
「誕生日プレゼント……用意、した方が、いいんだよな?」
 残されたオレは、抱えた荷物を見て、大きくため息をついた。


  ○ ○ ○


 ……そんな、和やかな朝の後、夜は楽しいパーティーが開かれ、一日は終わる――
 オレはそういう風に考えていた。というか、そうであるべきだろう、朝の流れからして。
 なのに――
「コラーっ、逃げんなぁクラウドっ!」
 ……オレは今、生死を共にしてきたはずの仲間たちに追いかけ回されていた。
「そろそろ諦めろよ~っ」
 背後から投げられるユフィの手裏剣をかわし、
「クラウドー、おいらそろそろリミット使っちゃいたいんだけど……」
「使うなバカ!!」
 興奮剤を咥えて追っかけてくるレッドに怒鳴り返す。
 さすがに反撃の一つもかましたいところだが、あいにく、武器はすべて宿の中だ。
 ――エアリスと別れたあのあと。
 さすがに祝い事にプレゼントがないというのはと思ったオレは、街中の雑貨屋などをぶらぶらと見て回っていた。
 正直、誰かに贈り物を満足にしたことがない自分にとって、それはなかなかに大変な作業だったが、それでも何とかエアリスの好みそうなものは用意できたと……そう思う。
 ちょっとした満足感に包まれ、宿屋に戻った俺を出迎えたのは――


『おいクラウド、オメェちょっとおとなしく捕まれ』

 と、何故か槍の先を向けてくるシドと


『安らかに……眠らせてやろう』

 すでにリミットゲージが満タンに近くなっている(が、一応ブレーキを利かせているつもりなのか、リミットを使う様子はなく銃をこちらに向けているだけだったが)ヴィンセントの二人組だった。


 わけのわからない展開に硬直し、荷物を落としたオレをシドの槍とヴィンセントの銃弾が容赦なく襲う!
「おっ、お前ら、一体どういうつもり……」
「そらよっ」
「わっ」
 シドの横薙ぎをすんででかわし、ヴィンセントが放つ銃の射程外に飛び出す。
「宿屋の中で何考えてるんだっ」
「うるせー、いいから捕まっとけ、痛くしねーから」
「眠りは……いいものだぞ……」
「わけのわからないことしてないで……っ!?」
 なんとかなだめようとしたオレに構わず、二人は一気に襲いかかって来る!
 まずい、多勢に無勢だ。
「くっ」
 オレは隙を見てテーブルをひっくり返し、壁を作ったと同時に部屋から飛び出した。
「あ、逃げんな!」
「クラウド、お前も……罪を背負うのか……」
「何の罪だ、何の!!」
 大声をあげて叫び、宿屋から撤退したオレを出迎えたのは――


『んっふふ~、クラウドー、待ってたよー』
 怪しげな笑みを浮かべる忍者娘と、

『ユフィ、興奮剤飲みすぎだよ、おいらの分なくなっちゃうじゃないか』
 場違いにのほほんとしているレッドチーム。

 ――そしてオレは、今度はこの二人に追いかけまわされる羽目になったわけだ。
 
「ちょっと~、いつまで逃げるつもりー? そろそろ足痛いんですけど~」
「なら追っかけてくるな!」
「そうもいかないんだよね、あ、ユフィ、おいらに興奮剤飲ませて」
「止めろーーーーー!!」
 その時、天の助けが舞い降りたのだろうか。
 オレの怒りが頂点に達し、リミットゲージが満たされた!
 そのチャンスを逃さない。ちょうど近くにあった長スコップを奪い取り、それを路地の壁に突き立て――
「クライムハザード!」
 切り上げるのではなく自身がジャンプし、壁を超え街の外に出る。
 我ながらナイスなソルジャーぶりだっ。
「ああ~っ、ずる~!」
「ほんとだよクラウド、おいらにリミット技使うななんて言っといてー!」
 ほざいてろ、馬鹿っ。
 舌打ちし、オレは取り合えすその場から離れるために野原を駆ける。
 落ち着くまで少し、街から身を離していた方がいい。
 まったく……あいつら、何だって言うんだ。
 一体オレが何を――

「おおっと、これ以上行かせるわけにはいきまへんで、クラウドはん!」

 考える間もなく、オレの前に現れるはケット・シー!
 オレたちの間に、ひゅおぉぉおお、と冷たい風がたなびいていく。
「ケット・シー、まさかお前も……」
「すんまへんなぁ、まあ、大人にならんとやらなあかんこともあるっちゅーことで」
「猫のくせに生意気な……!」

「うるせぇっ、ごちゃごちゃ話してんじゃねぇ!!」

「うわっ!」
 オレがケット・シーに指を突き付けた刹那、怒鳴り声とともに足元にマシンガンが撃ち込まれる。
 岩影から出てきたのは、不敵に笑う黒肌の男……。
「バレット、貴様!」
「おとなしく捕まってりゃあ、痛い目にあわずに済んだのによ、なぁ、ソルジャーさんよ?」
 嫌味ったらしい顔でにやつきながら、バレットはその片腕の銃をオレに向けてくる。
「く……」
 でかい図体の二人がオレの行く手を遮るようににじり寄ってくる。後ろは未だ、近くにユフィ達コンビがいるだろう。
 絶体絶命だ――
 そう思った時、
「クラウド、こっちよ!」
「ティファ!?」
 どこからか現れたティファがオレの腕をつかみ、バレット達の不意を突く形で斜め迎えの岩にめがけてジャンプする。
「あ、ティファはん!」
「ちっ」
 威嚇するような形でバレットが射撃してくるも、そのときすでに俺たちは岩を背に、その場からの逃走に成功していた。
「ティファ、どうして」
「話は後よ、今はとりあえずどこかに隠れましょ」
(どうやらティファは……オレを襲う気はないみたいだな)
 だが、まだ他の連中が追いかけて来る可能性は否めない。オレは後ろを警戒しながら、ティファに導かれるままに走る。
 そうして、ティファに引きずられるようにして、チョコボ小屋だろうか――ついたのは一件の、粗末な小屋だった。
「ここは……」
「この街に来る前に見つけたの。倉庫だったみたい」
「なるほどな、ここなら少しは休めそうだ」
 ほっと安堵のため息をついて、オレはティファに苦笑した。
「助かった、ティファ」
「え、あ、ううん……」
 はにかみながらティファは軽く手を振る。
 オレは腰に手を当て、倉庫の窓から外をうかがった。
 ――どうやら、上手く撒けたみたいだな。
 しかし、それにしても解せない。嫌がらせか、それとも日頃の恨み……いや、オレ、恨まれるようなことをしたのか?
「なんなんだ、本当……」
 腕を組み仲間たちの変容についてあれこれ考えていると――
「クラウド……」
 ふわり、とオレの腰にティファの腕が回され……って、な、何、何だ、これ。
「ティ、ティファ?」
 赤くなってるであろう顔で振り返ると、ティファはぽつりとつぶやいた。
「……ごめんね」
 え、と答える間もなく浮かぶ体。反転する風景――
 次の瞬間体中に衝撃が訪れ、オレの意識は――や、み、に、飲み、こ……ま、れ……。


 ……。
「ひゅー、ティファ、ナイスメテオドライブ!」
「ごめんっ、ごめんね、クラウドっ」
 駆けつけたユフィの褒め言葉に、しかしティファは、気絶した幼馴染に向かって両手を合わせて何度も頭を下げ続ける。
「ほら、ティファ、謝るのは後でいいじゃん。用意用意!」
「あ、そ、そうよね、うん……」
 完全に気絶しているクラウドを見下ろして、二人の少女は倉庫に置かれてあった袋を引きずり出し――
 そして……。


  ○ ○ ○


 ――ここは、どこだ?
 オレは……誰だ?
 などとぼんやりした意識の中思いながら、ゆっくり目を覚ますと、そこは暗闇の中だった。
 しかも、狭い。随分窮屈なところにいるようだ。息苦しいし、体が熱く、変な感じがする。
「……で、……いっ……ぱーん……」
 体の妙な違和感に身を動かした時、外から何やら声が聞こえてきた。
 誰かが外にいる!
 そう思った瞬間、オレは枯れた喉を無視して大声を張り上げた。
「おい、そこに誰かいるのか、いるのなら――」

『せーのっ』


 刹那、暗闇がほどけ、ぱぁんと銃声よりも軽い音が響く。


『誕生日おめでとう、エアリス!!』


 暗闇の次に俺が見たのは、エアリスを中心に皆が手にクラッカーを持ち、にこやかな笑みを浮かべている姿だった。
 ……。
「は?」
 今日、何度めの疑問符だろうか。
「ありがと、みんな。すっごく、嬉しい!」
 呆然とするオレを余所に、エアリスは満面の笑みで自分にかかったクラッカーの紙をはらっている。
「へへっ、喜んでくれたらアタシも頑張ったかいがあったもんだよ」
「おいらも頑張ったよ、エアリス」
 うんうん、とエアリスはヒマワリのように明るい笑顔で、レッド13をねぎらうようにその鼻を撫でている。
「ティファも、ありがと。ごめんね、無茶させて」
「ううん、それより……」
 すでに酒をかっくらっているシドとバレッドにひじ打ちをして、ティファはオレの方を申し訳なさそうに、けれど何かをこらえているような表情で見て、頭を下げた。
「ごめんねクラウド、痛かったでしょう?」
「……」
 いや、痛いとかそういう問題じゃなくて。
「何でオレを、箱の中に閉じ込めておいてたんだ……?」
 そう、どうやら窮屈だと感じていたのは、オレが箱の中にいたからのようだ。
 リボンと段ボールが散らばっていることからして、間違いないだろう。
 オレが疑問の声を上げると、エアリスは今度は、猫のような笑みを作る。
「私のワガママに、みんな、付き合ってくれたの」
「いやぁ、オレは楽しかったけどなぁ?」
 にやにやと、なにか奇妙なものを見るような顔つきのシドが答える。
「ククク、ちげぇねえ」
 バレットもそれに答え、用意されていたチキンにかぶりつく。
 エアリスは軽い駆け足でオレに近づくと、顔を……思い切り近づけ、オレの手を、握ってきた。
「今日は一日、そのままでいてね。クラウドちゃん」
 ――ちゃん?
 一瞬混乱し、しかしオレは既視感を頼りに過去の忌々しい記憶を取り戻す。
(まさか!)
 ハッとして自分の格好を見ると、やはり――
「……うわぁああああああああっ!!!!!」
 間違いなく、今のオレの格好はあの時――ドン・コルネオの館に潜入するために仕方なく行った女装姿と同じものだった。
 ま、まさか下着もか!? とそちら側に意識をやるが、どうやらそこは守られたようだ……って。
「な、何でオレをこんな格好にしてるんだお前ら!!」
「アッハハ、今頃気づいてやんの、クラウドっ」
「うるさいっ、大体……」
「ふふふ、ごめんね、クラウド。これ、私がみんなにお願いしたことなの」
 からかうユフィに怒鳴ろうとしたオレの言葉を遮ったのは、エアリスだった。
 その言葉にオレは唖然と、眉を寄せてエアリスを見る。
「お願いって……」
「わたしね、クラウドの女の子姿がもう一度、どうしても見たかったの。でも、クラウド、頼んでもやってくれないでしょ?」
「あ、当たり前だろ!」
「だから、朝、クラウドがお祝いの話を出してくれたから、チャンスだな、って、ね」
 悪びれた様子もないエアリスの笑顔に、オレは、
 ……ただただ、脱力した。
「それで皆は、俺を追っかけまわしてたってわけか……この姿にするために……」
「――ラッピングも、含めてだが」とヴィンセント。
 はは……嘘みたいだ。ヴィンセントが微かに笑ってやがる。滅多にない光景にオレはただ唇を引きつらせるしかなかった。
「いやあ、クラウドはん、エライ似合ってはりますなあ」
「可愛いぜー、クラウド嬢ちゃん」
「ソルジャー形無しだなァ? オイ」
「ぷぷ、や、やっぱりクラウド……似合う……」
「すごいなー、香水まであるんだもん。おいらびっくりしちゃったよ」
 それぞれの言い分に、オレはやっぱりそのまま、肩を落としたまま自嘲するしかない。
「さ、立って立って、クラウドちゃん」
 暗い顔になっているであろうオレの心を置き去りに、力の抜けたオレを、無理やりエアリスは引き立たせ、するりと腕を組んできた。
「今日は私がクラウドちゃんを独り占め、できるの」
「お、おいっ」
 その細い腕の柔らかい感触に戸惑い、解こうとするも、悪戯好きの子供のような瞳で見上げられ、
「女の子同士だと思えば、恥ずかしくないでしょ」
「そ~そ~、プレゼントは黙って持ち主に使われてなって!」
「プ、プレゼントって、オレが、なのか?」
「うん、みんなからのってこと、ね」
「あ、エアリス、一応カメラも用意したけど……」
「しゃ、写真だけはやめてくれっ!」
 悲鳴を上げるオレに、シドやバレット達のでかい笑い声が重なった。
 い……いつかメテオレイン誤発させてやる……!
「じゃ、改めて乾杯しましょ!」
 ティファの掛け声で、それぞれがグラスを持つ。
 ……オレももう反論したりする気すら起きず、手渡されたシャンパンを掲げた。
 すると、エアリスがオレを改めて見上げてきた。
(わかった、わかったよ)
 期待を込めたまなざしに、オレは頭を振って、
「エアリスの誕生日を祝って、おめでとうっ、乾杯!」
『カンパーイ!』
 自棄になった俺の声に、皆は楽しそうに唱和した。
 そして、パーティーが始まる。


  ○ ○ ○


 夜は更け、すでに月も空の上に浮かんで、周囲からの物音も一切していなかった。
 騒がしいパーティを終えた後、オレは着替えるために一旦自室に戻り、大きくため息をつく。
「はぁ……なんだってオレの女装姿なんて望んだんだ、エアリスは……」
 二度と着るものかと決めたシルクのドレス、ヒール、かつらを乱暴に脱ぎ捨て、適当にベッドに投げ置いた。
 その時ちょうど、扉が二度ほどノックされる。
「ね、クラウド、入ってもいい?」
 どうやら来客者は、今回の黒幕のようだ。
「……ちょっと待ってくれ」
 適当に女装セットにシーツをかけて隠した後、髪を整えると扉を開け、部屋にエアリスを招き入れた。
「あ、元に戻っちゃってる」
「パーティは終わっただろ。それにもう」
 オレは時計を指さし、「十二時過ぎだ」
「ざーんねん。可愛かったのに、クラウドちゃん」
「いいか、女装はもう金輪際、絶対にやらないからな」
 オレは一応、念を押すように強く言い切った。ユフィやティファの時も請われたりしたら、今度こそオレは本気で逃げてやると決めて。
「……ごめんね」
 そのオレの言葉に、エアリスが小さくつぶやいた。
「やな思い、させちゃったね」
「あ……」
 ほんの少し悲しそうな光を帯びた眼に、オレは一瞬見とれ――
「そ、それはともかく、オレはもうクラウド『ちゃん』じゃないから」
 そのことを隠すように若干あわてて、隅に転がっていた荷物入れから、エアリスに買ったプレゼントを取り出す。
「……これは、『クラウド』からの、お祝いだ」
「えっ?」
「だから……誕生日プレゼントだよ、オレからの」
 エアリスはオレの顔と、差し出した包みを交互に見つめていたが、
「いいの?」
「オレは自分がプレゼントになったけど、自分でプレゼントをした覚えは、ないからな」
「クラウド……」
 エアリスのはにかむ顔が暖色の明かりに灯されて、妙に幻想的に見えるのは……お酒、そう、きっと、酒のせいだ、うん。
 そっぽを向く俺から静かに包みを受け取り、それを見つめるエアリスを横目にしながら、
「ど、どういうのが分からなかったから、気にいるかどうか……」
「そんなこと、ないよ」
 エアリスは包みを胸に抱いて、ゆっくりと顔をあげる。
「一所懸命、考えてくれたんでしょ? それだけで、十分、だよ」
 その頬笑みは、今回の騒動をたくらんだ黒幕とは思えないほど、清廉で、優しい……。
「中、開けて、いい?」
「……あ、ああ」
「何だろう、楽しみ……あ!」
 エアリスは、オレが買った紅茶の缶を見て声をあげた。
「ディンブラ! 私、これ、好きなの」
「そうか……そりゃよかった」
 喜ぶ顔に、オレは内心胸を撫で下ろす。
 茶なら旅の途中、いつでも入れられるし、何よりこのお茶の香りはなんとなく、エアリスの感じに似ていたから選んだんだが、どうやら正解だったみたいだ。
「ありがとね、クラウド。すごく――すっごく、私、嬉しい」
 缶を抱いて無邪気にはしゃぐ姿に、オレの口元は緩む。
「……誕生日おめでとう、エアリス」
 オレの言葉に、エアリスはやはり儚いけれどまばゆい、天使のような微笑みで頷いて、紅茶の缶を強く胸に抱いた。
「こんなに嬉しい誕生日……初めて」
「じゃあ、オレの誕生日もせいぜい楽しませてもらおうか」
 そう軽口を叩いた刹那、エアリスの表情が一変する。
「うん、もう色々考えてあるから、だいじょぶ! 任せて!」
「……」
 先程浮かべた優しい、天使みたいな笑みはすでに、ない。
(これ以上のことをされるのか、何なのか……)
「どしたのかな? クラウド君?」
 顔を覗き込み、楽しそうに笑うエアリスを改めて見つめて、オレは苦笑した。

 彼女はやっぱり――天使のようだけれど、事実、小悪魔だ。








***ああもう遅れちゃった……。
     どうやら私は、クラウド君が振り回されている系統の話なら書けるみたいです。
     ともかく、誕生日おめでとう、エアリス!
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2010/02/08 Mon. 00:37 [edit]

Category:  ◆その他

Thread:二次創作  Janre:小説・文学

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