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今日はまぐろ饅頭記念日 

4様と坊ちゃんとビッキー。
ビッキーの一人称視点で、なんというか、こう……

ギャグです。

以前Twitterで参加した企画に提出した作品になります。
舞台は4軸ですが、関係なく読めます。
では続きからどうぞ。


※今日はまぐろ饅頭記念日※




 ――君がいつか、まぐろ饅頭が食べたいといったから。


  ◎ ◎ ◎


 その赤いバンダナをつけた人は、マクドールさんの台詞を聞いてもただ黙って背中を向けているだけでした。こういうのを『男は黙って背中で語る』ってことなのかな、とビクトールさんの言葉を思い出します。
「君が何者かは知らないけれど」
 背中を向けたまま、海をながめてバンダナの人はつぶやきます。
「まぐろの一本釣りに挑戦する覚悟は、あるんだな」
 その声は穏やかな波のようだったけど、どこか鋭くて、張り詰めた感じがありありと込められていました。
 思わずロッドを握りしめる私だったけど、マクドールさんは逆に一歩、前に出てその声をはねのけるように決意のある瞳を向けます。
「大切な、友人がいました」
 静かに、でも強く、解放軍のリーダーとして今までにない気迫でマクドールさんは口を開きました。
「その友人に手向けたいんです……彼の好きだった、まぐろ饅頭を!」
 ざぁん、と一つ大きな波が、島の岩頭にしぶきを上げます。それでも赤いバンダナの人は少しも動かず――
「……君の覚悟、確かに受け取った」
 初めてそのバンダナの人がこちらを向きます。茶色の短髪とマクドールさんのように、厳しく、少し寂しげな緑の目。
「まぐろ釣りは甘くないぞ!」
「はい!」
「弱音を吐くなら言葉を取り消せ!」
「吐きません! 僕は絶対に、まぐろ饅頭を作って帰ります!」
「よろしい、ならばまぐろ釣りだ!」
 バンダナの人がはじめて微笑みました。強くて、優しいマクドールさんのような笑顔。バンダナの人はマクドールさんの後ろに隠れていた私を見て、ふっと笑みを深めた……ような気がします。
「君は……ビッキー、かな」
「えっ? あ、は、はい、ビッキーです!」
 私は急に名前を呼ばれ、びっくりしました。このバンダナの人は、どこかであったことがあるのでしょうか。……言われてみれば、どこかで、いつの時代かに会ったような、そんな気もするのですが、思い出せません。
「君のテレポートでオベル王国に飛ばして欲しい」
「オベル……王国?」
「そこで捕れる最高のマグロがあるんだ……別名、黒いダイヤ」
「まさか、それはっ」
 マクドールさんが息を飲みます。とても真面目な顔でバンダナの人はうなずきました。
「黒いダイヤ――伝説のクロマグロ……!」
「その通り。さあ行こう、伝説のマグロをこの手にするために」
 そうして私とマクドールさん、そして赤いバンダナの人は、その伝説のマグロを捕るために、オベル王国と言うところに行くことになりました。
 赤いバンダナの人の手から流れてくる場所のイメージを頼りに。


  ◎ ◎ ◎


 オベル王国という場所は、どこか懐かしい感じのする、南国の島でした。
 時に吹く潮風がとても心地良いです。ゆっくりピクニックしたい気分になりますが、どうやらマクドールさんたちはそんな場合じゃないみたいで……。
「釣り糸を一度たるませて一気に引く! コツをつかむんだっ」
「はいっ」
「足を突っ張らせて腰に力入れる、腕も休めない!」
「くっ……」
「いつでもマグロが寄ってくると思うな、あきらめたらそこで試合終了だ!」
「あきら、め、ません! 釣るまではっ」
 ツンツン頭の王様に借りた、ちょっと大きめの漁船に私たちは乗ってます。マグロを釣るための特別な装置に、マクドールさんはかれこれ数時間は座り続けていますが、なかなかクロマグロは釣れません。
 私は赤いバンダナの人が用意してくれたパラソルの下、ただもらったジュースを飲むことしか出来なくて、ちょっと悲しいです。
「少し、休憩しようか」
「いえ……何か、コツがっ、掴めた気がするの、でってキターーー!! と思ったら鰹かぁぁぁぁぁ!」
 マクドールさんがこれでカツオを釣ったのは十匹目です。凄いなあ。
 バンダナの人は苦笑しながらマクドールさんを見ていましたが、一つ嘆息すると、こちらにやってきました。
「船酔いとかしてないかい、ビッキー」
「あ、えっと、はい、大丈夫です!」
「……君は、どこから来たビッキー?」
「えっ」
 側にあったリンゴをかじりながら言うバンダナの人に、私はジュースを飲む手を止め、バンダナの人を見上げました。
「えーっと、今が……あれ、いつだっけ、うーん……」
「はは、やっぱり」
 何がやっぱり、なのか私にはわかりませんでしたが、優しい微笑みに私はなんだか救われたような気がして、つい笑い返しちゃいました。
「彼の友達って――もしかしてテッド、って名前じゃないのかな?」
「テッドさんのこと、知ってるんですか?」
「マグロ好きでソウルイーターを持った人間なんて、そういないからさ」
 マクドールの手にあるの、ソウルイーターだろう? 言われて私はうなずきました。テッドさんを私は良く知りませんが、二人はは親友だったこと、そして、死んでしまう前にソウルイーターを託されたことは、マクドールさんが教えてくれていたからです。
「テッドは死んだんだな。……でも」
 必死に、汗だくになりながら頑張っているマクドールさんを、どこか遠く見つめて、バンダナの人はつぶやきました。
「悪い死に方じゃなさそうなのが、良かった」
 手袋をさすりながらマクドールさんの背中を見るバンダナの人が、どこか羨ましそうに見ているのは、私の気のせいでしょうか?
「あっ」
 私が口を開きかけたそのとき、マクドールさんが大きな声を上げました。
「どうした!」
「明らかに違う……手応えですっ! くっ……」
 バンダナの人が駆け出すのに遅れて、私もマクドールさんの元へ走り出します。
 ぎりぎりと糸がきしみ、船が大きく揺れ動きました。
「よし、さっき言った通りに、焦らず、集中して一気にたたみかけろ!」
 ――ぐ、とマクドールさんがまなじりをつり上げた刹那。
「そこだぁああああああああああっ!!!」
 マクドールさんの腕が大きく振り上げられ、まぶしい太陽の下に黒光りした魚が舞い上がりました。それは私も驚くほど大きくて、立派な魚が――


  ◎ ◎ ◎


「見事だったよ、一本釣り」
「あなたのおかげです、僕だけじゃとても、無理でした」
 橙の夕焼けが海にかかる光の中、照れくさそうに笑うマクドールさんと、にこやかに笑うバンダナの人はお互いに熱い握手を交わしていました。
「それに饅頭作りまで手伝ってもらって……何とお礼を言っていいか」
「気にすることはないさ。天魁星のよしみだ」
「……すみません。気付いていたんですね」
「ああ。真なる紋章を持つもの同士だからかな」
 そっか、と私は一人、うなずきました。マクドールさんをいろんな感情を込めた瞳で見つめていたのも、テッドさんのことを知っていたのも、どこか懐かしい感じがしたのも……マクドールさんとこの人は、同じだから。
「そろそろ行った方が良い。ラズリルという港町に、君の探し人はいるはずだ」
「……ありがとうございます」
 マクドールさんは深々とお辞儀をして、私の方を見ました。私の出番です。バンダナの人と握手をして、ラズリルのイメージを伝えてもらいます。
「それじゃあ、またどこかで」
「ハイ!」
 そうして私はマクドールさんと共にテレポートしました。
「……ずるいな、テッド。幸せだ、君は。」
 私はテレポートの途中、軽やかな笑い声を聞いた気がしました。
「だからこのくらいの意地悪くらい、しても良いだろう?」

 ――ラズリルの宿屋、テッドさんが泊まっている部屋にそっと、作ったまぐろ饅頭を置いてきたその帰り。
「ビッキー……あのさ、その、君に聞くのも変だけど」
 残った一個、半分こにしたまぐろ饅頭の中身を憂鬱そうに見ながら、
「……目玉しか入ってない饅頭って、美味しいかな?」
 そのとき丁度宿屋の方から叫び声が聞こえたような気がして、マクドールさんが大きな溜息をつきました。
「やられた」
 そう言うマクドールさんの顔は、それでもどこか嬉しそうで、私もなんだか幸せな気分になって、おまんじゅうをぱくりと一口、食べました。
 おまんじゅうは、とっても美味しかったです。




※※※私は何故、こんな作品を書いたのだろう。
   と、提出させて頂いてから思いました。
   キャラ崩壊も良いところじゃないか! でも書いてて楽しかった!
   私の中で結構テッド君は不遇。
   愛ゆえに。
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2013/01/11 Fri. 20:10 [edit]

Category:  ▼幻想水滸伝

Thread:二次創作  Janre:小説・文学

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