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きっとそれは素敵な奉仕(GPM 壬生屋→瀬戸口) 

痛い感じの壬生屋→瀬戸口です。
壬生屋さんがののみちゃんに辛辣です。
ヤンデレ風壬生屋が大丈夫な方はどうぞ。



きっとそれは素敵な奉仕(GPM 壬生屋→瀬戸口)



「ののみさん、わたくしのお弁当も食べませんか? この卵焼きは、ののみさんに作ってきたんですよ」

「ののみさん、それは重いでしょう。わたくしが運んでさしあげますね」

「ののみさん、勉強を教えてさしあげましょう。ののみさんはかしこいんですから、すぐに出来ちゃいますよ」

 そう壬生屋が言うたびに、5121部隊のアイドルである東原ののみは幼く愛らしい顔をほころばせ、とても嬉しそうにお礼を言うのだ。
 「ありがとう、みおちゃん! ののみ、みおちゃんのことだいすき」と。
 素直に好意を向けられると壬生屋は何となくくすぐったくなって、はにかんだ笑みを押し殺す。
 ああ、と吐息を漏らせば心に溢れる醜い感情。

 ――なんて、馬鹿な子なのかしら。


  * * *


「お前さん、どういうつもりだ」

 それは、壬生屋が『奉仕』を続けて一週間ほどたった頃だった。
 親友であり事務官である加藤祭に、明日の弁当に入れてやるりんごの調達を頼み終えた壬生屋へと、そんな言葉を瀬戸口が投げかけたのは。
 まばゆく、赤い夕日の逆光に目を細め、壬生屋は瀬戸口を見つめた。
「どういうつもり、とは?」
「……ののみに対して、やけに優しいじゃないか」
 あら、と壬生屋は喉の奥で笑った。
「いけませんか?」
「いや……」
 素直な壬生屋の態度に調子を崩されたのか、瀬戸口は複雑な面持ちで己の頭を掻く。
 5121小隊随一の美男子といわれる瀬戸口だが、困惑したときに見せる顔は何よりも少年臭いものだということを壬生屋はちゃんと知っていた。
 知っていたところで、何の役にも立ちはしないけれどと壬生屋は思うが。
「ああ、その……そういうわけじゃ、ないんだがな」
 あまりに困らせるのも悪い気がして、壬生屋は涼やかな笑い声を上げる。
「ふふふ、瀬戸口さんは心配性なんですね……でも、大丈夫ですよ」
 やんわりと優しく唇を吊り上げて、風にほつれた髪をそっと、かき上げ、
「わたくしは今でも、あの子が大嫌いだから」
「なっ」
 一瞬にして変容した瀬戸口の顔は、まるで大人の――否、敵を直視した幼児のそれにも似ていた。
 瀬戸口の二面性、子供のようで大人、大人のように見えて子供らしいその表情を見るのが、壬生屋は何よりも好きだった。
 自分には見せない表情を覗けるまたとないチャンスを、壬生屋は決して逃がさない。
 すり足で幻獣を追い詰める、あのひりひりした緊張感に身を浸し、壬生屋は静かに相手の領域に踏み込んでいく。
「大嫌い。本当に嫌い。心から嫌い。反吐が出るほどに嫌い。大嫌いです、ええ、本当に、壬生屋未央は東原ののみが大嫌い――」
「なら――」
「何故、とお聞きになるのですか? あなたにはその理由が分からないと?」
 壬生屋は一歩、瀬戸口に近づいた。瀬戸口は一歩、後退する。
「み、ぶや」
「それは」
 壬生屋は戸惑いの光を浮かべた瀬戸口の紫の瞳に、自分が映っている事実に頬を紅潮させ、
「わたくしが、貴方をお慕いしているからです。瀬戸口さん」


  * * *


 一人取り残された壬生屋は、しばらくの間地面に膝を突き、赤橙の空の下、じっとその場に座ったままだった。
 横座りの形を崩さず、静かに己の片腕を握りしめ、うずくまる。
「ふ、ふふ」
 あの後、確か何やらひどい暴言を吐いてやったのは覚えている。
 同調体だかなんだか知らないが、ずいぶん阿呆に育ったものだ。
 暢気に守られ、無邪気に媚びることを知るあの子は立派な売女になるだろう――だとか、その直後記憶が飛んだ。
 じんじんと頬が疼き、受け身の失敗でねじれた手が痛む。
「……うふふふふ」
 殴られたのか、そうか、そうだ。自分は確か殴られたのだ、愛して憎むあの男に。
 愛の伝道師が聞いて泣く、と壬生屋は腫れた頬にそっと手を添えた。
 暖かい。熱い。
 ――自分を見る目もこれほどの熱を帯びてくれていれば。
 ……どんなに。
「ふふふふ。ふっ、ふふ、ふふふ……ふふ、ふふふ……ふ……あ、あ」
 じゃり、と砂を握りしめ、壬生屋はうつむき、滲む視界に浮かぶののみの笑顔に爪を立てる。
 憎い、あの子が憎い、愛されるあの子が恨めしい、殺したい、消し去りたい。
 小さな体に詰められたはらわたを引き裂いて、貪り食えたらどんなに楽か。
 もてあますほどの憎しみを抱いても、それでも壬生屋は奉仕を止めない。己が息絶えるその日まで、愛する彼が慈しむあの子に仕えてやるのだ。
 仕えて仕えて仕え倒し、そして最後は見事にあの子をかばい、愛する彼の前で死んでやる。ののみは己を責めるだろう。苦しむだろう。悲しむだろう。心に傷を負うだろう。そして男は自分の無力さを呪うのだ。
 そう、きっとそうなることが、何よりの。

「……復讐ですものねえ」

 千年続く壬生屋の名、己の誇りと剣技を罵倒し、あまつにさえ己の心と好意をも踏みにじる愛しい男にはそれでもあまる。
 壬生屋は明日も明後日も、その命があるまでののみに優しくするだろう。
 それはきっと、何より素敵な奉仕なのだから――
「……あらまあ」
 目線の先、遠い山に落ちる夕日の赤にまみれる己の身を抱き、
「なんて、綺麗な赤」
 壬生屋はちょっぴり泣いて、それでも恍惚とした笑みを浮かべてみせた。










***本当の壬生屋にはきっと、こんなことは出来ないんだろうけど。
     壬生屋と小夜の違いは、狂気に至るか死に至るかだと思ってます。
     瀬戸口×壬生屋のイメージソングは【焼け野が原】/COCCO

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2010/04/20 Tue. 18:41 [edit]

Category:  ●瀬戸壬生

Thread:二次創作  Janre:小説・文学

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